カゴの材料を採る山は、熊棚(熊がクリやドングリの木に登って食べる為に折った跡)もある場所。
熊の留守?を狙って採ってこなければならない。
大木に絡んだ蔓を木の天辺まで昇って採りに行く。
蔓の太いものは一升瓶くらいになって樹に絡んでいるので、15m(ビルの5階)くらいまで登って切り落とす。
この作業が何といっても一番大変だ。
山の標高が1000mくらいから上に山葡萄の木は生えているので、後半は高いところへ移動しながら採取しなければならない。
幹周り35cmの山葡萄の木
こんな大物には、めったに出会える事はない。
そして、山葡萄を採ることが出来きて、皮が剥けるのは梅雨時の6月だけ、それも3週間くらいの短期間の間だけとなる。
採取した山葡萄の皮。
外側の茶色の皮が鬼皮で、この部分は使わない。
幹に接している白い皮を編みに使う。
剥いたすぐは白い色をしているが、乾くと茶色になる。
時々作っているカゴについて、一番皮・二番皮の質問を頂くが、
一番・二番というものはない。
製作途中の、山葡萄カゴバッグ。
葡萄蔓製品は丈夫で、使い込むほどに光沢としなやかさが増し、孫子の代まで使い継がれることができる。
経年劣化ではなく、時と共に美しさが増すカゴである。
出来上がった山葡萄のカゴバッグ。
植物の皮なので、引張りには強いが、折り曲げには意外と弱かったりもする。
そのため、やさしく扱ってもらうとより長持ちもする。
雨に濡れても平気ですが、そのままにするとカビてくるので、よく乾かすことをお勧めする。
お手入れは乾いた亀の子タワシで繊維に沿ってゴシゴシ擦る。
相当なダメージのものまでも修復することができる。
これも山葡萄のカゴの良い点であるだろう。
もしも、不具合等発生した場合は、メンテナンスはお任せください。